カニャークマリに何日滞在していたのか今となってははっきり思い出せないが、恐らく3、4泊程度だっただろう。 当時の南インド探訪においては比較的長めに滞在した町だった記憶がある。 そのカニャークマリに麻薬的に美味いビリヤニを出す食堂があって、今でも時折思い返しては懐かしくなる。 この頃は既に汁物だろうがご飯物だろうが、右手の指だけで特段のストレスもなく食べられるようになっていた。 この食堂の敷居を初めてまたいだ時もいつも通りローカルに習って食う心づもりでビリヤニをオーダーしたのだが、気を利かせた店員がスプーンを持ってきてくれてこんもり盛られたビリヤニの上からぶっ挿してくれた。そのイメージが何故か今も記憶に焼き付いている。 この店のビリヤニの美味さといったらなかった。共に旅をしていた友人と顔を見合わせ、思わず叫んだのだった。 初めて訪れてからというもの、昼飯は必ずこの店の大盛りのビリヤニになるのだった(他にもいくつかメニューがあったが、僕は脇目も振らずそればかり食っていた)。 もはやその店の名前を思い出すことはできないが、うっすらとその場所は思い出せる。 今でもGoogle mapでカニャークマリの町中にフォーカスしては、この食堂があったはずの辺りを愛おしく眺める事が時々ある。 インド - カニャークマリ(その1) インド - カニャークマリ(その2) インド - カニャークマリ(その3) インド - カニャークマリ(おまけ)