前職でお世話になった人たちと久しぶりにしこたま飲んだ。 本当は、菓子折り片手に職場に軽く挨拶して、その勢いで予定の空いてる人を誘ってしっぽりと飲みにいけたらいいな、くらいに考えていたんだけど、いざ行ってみると、僕の来訪の旨を聞きつけた元上司によりちゃんとしたお店の一室が貸し切りで予約されており、まるで異動者の歓迎会かのような体で盛大に出迎えてもらって、のっけから少し涙が出そうになった。 本当はもっと早く挨拶に行こうと思っていたんだけど、諸々の出来事があって職場も落ち着かない状態だっただろうから敢えて控えていた。去年は色々なことがあった。既にその会社を去った身として、詳細に状況を聞いたり口を出したりするのも差し出がましいので、ほとんど連絡は取らなかった。でも現場の苦労を思うと気が気でなかった。許されることなら応援に駆けつけたいと思っていた。 これまで直面したことがなかったであろう余りに困難な状況を乗り越えたチームは、久しぶりに会っても相変わらずよく飲み、明るく、気持ちの良いチームだった。このチームを作り出せる組織の懐が如何に深いか今となってはよくわかる。最近、エスタブリッシュメントを気取っているのかなんだかわからんけども妙にスカした人たちの癇に障る言動がいろんなところで目や耳に入ってきたりして、その度に辟易していたのだけど、そんなものとは程遠い、自らのミッションを忠実に寡黙にこなしてゆく、素朴で気の置けないあの現場と、その居心地の良さが懐かしかった。 3軒回って、気づいたら朝方になっていた。 もっともっと皆と話していたかったけど帰ってきた。同じメンツで会うことはもうないかもしれないけど、でも、ひとりひとりとはまた会える、きっと。月並みだけど、皆とまた会える日を楽しみに、こっちはこっちで頑張ろうと思った良い日でございました。