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10月, 2017の投稿を表示しています

チュニジア - トズール

スースから南下し、アルジェリア国境が近いトズールにやってきた。サハラ砂漠が近いこの街は、至る所にナツメヤシが生えており、どこか砂っぽい如何にもオアシスと言った様相だ。 トズールに着いても、例の体調の悪さは収まらなかった。むしろ、発熱まで伴っていよいよ病状悪化である。それでも寝込んで1日が潰れるのは癪に障るので、何とか町をぶらついてシャッターを切る。フラフラでメモも取れず、記憶も不鮮明。よって今回の記事は写真のみ。 ▲中心部にある市場 ▲何の肉を売っているのかわかるように、動物の生首が店先に釣られている ▲ラクダの肉 ▲ラクダと牛 ▲地中海で捕れた魚だろうか ▲これはブリックだったかな…違う気もする ▲中心部の路地 ▲ファティマの手(魔除け) ------------ チュニジア - チュニスとシディ・ブ・サイド チュニジア - スース チュニジア - 道程

チュニジア - 道程

(メモより。一部改変。) 14時半に来ると言われたバスが来たのは結局その30分後だった。ローカルの旅行客達と共にターミナルで煙草をふかす。 腰を降ろした座席から通路を挟んで見える左側の窓。窓の前にはおばちゃんがでんと座っており、窓枠と、おばちゃんと、その奥には流れる景色。右手を見ると、視界を邪魔するものがなく、広く視界を確保できるんだけど、ついつい見やってしまうのは左側。視界が自由過ぎると疲れるのかもしれない、視界を制限される事が実は落ち着くのかもしれない。窓、或いは車窓が無条件に広いのは考えものだと思う。 左側の窓からは、オリーブの木々がさーっと移っていく景色。雑多に、無規則に生えているように見えるが、ずっと眺めていると、木々が手前から奥までピッと一直線に並ぶタイミングが定期的に訪れる事に気づく。実は規則性がある。反復する一直線。そのミニマルな様子に、これが畑なんだと気づく。 イヤホンを耳に挿してロングシーズンを聞く。西陽に赤く染められる、土が見える。 旅とは何かという問に、旅とは移動だって解を出した友人を思い出した。では移動とはなんだろう。おばちゃんと、窓枠に狭められた視界から望む景色を眺めて考える。そして思う。それは、木々の緑を、鉄塔と鉄塔の間隔を、地平線から此処までの距離を知覚すること。 キューバのバラデロからハバナに向かうバスの車窓から見た景色を、パキスタンのラホールからイスラマバードに向かうバスの車窓から見た景色を、メキシコのグァナファトから何処かに向かうバスの車窓から見た景色を、インドのムンバイからゴアに向かうバスの車窓から見た景色を、思い出すこと。 愛犬の死を、祖父の死を、祖母の死を、思い出すこと。 母が目を患った事を知った時の、自分の素っ気ない態度を思い出すこと。 チュニジアの道路は思っていたより丁寧に舗装されている。ここはハイウェイだ。休憩はあるのだろうか。 ------------ チュニジア - チュニスとシディ・ブ・サイド チュニジア - スース チュニジア - トズール

チュニジア - スース

チュニスから直線距離で100Km程度だろうか。南に下った地中海沿いにスースはある。南北に長い国土のチュニジアだが、そのほぼ北端に位置するチュニジアから徐々に南下するにあたって中継しようと思い立ち寄った町だ。 ▲夜のチュニス鉄道駅 ▲定刻通りに列車は出発 出発から約2時間でスースに到着した頃にはすっかり夜は更けていた。あまり英語の通じないタクシーを捕まえ、予め目星をつけておいた宿へと連れていってもらう。 ▲理容店 ▲スースのメディナへはファルハット・ハシェド広場から入る チュニジアに向かう飛行機の中で何となく体調が悪化する気配を感じていたのだが、スースについた頃には身体はだるく、思考は不明瞭でお腹もゆるいといった具合。すっかり風邪の様相だ。とは言え折角訪れた先で1日寝ているわけにもいくまいと心を奮い立たせ、出かけていったのであった。この旅人の殊勝な心がけも数日後には根負けすることになるのだが… ▲路上でモノを売るのには許可がいるのだろうか、警察がやってきた途端、洋服を並べていた連中は慌ててどこかに逃げていった スースは散策するには手頃なサイズの町だ。スース鉄道駅の脇にあるファルファット・ハシェド広場が中心部になっていて、その北へ行けばレストランや銀行、服屋や薬局が並ぶ新市街、南へ行けばメディナへ至ることが出来る。何はともあれメシだなと、新市街地をぶらついて目に止まったローカルレストランに入り、マトンと野菜の煮込み料理、それとローストチキンを食べた。腹が満たされたら銀行で米ドルをチュニジアンディナールに替え、恐らく唯一の見どころであるメディナへと向かう。 ▲ナツメヤシの実が干されている ▲メディナの街角 ▲色あせたチュニジアンブルーのドアと鍵 ▲こちらもメディナの街角 スースのメディナもご多分に漏れず高い城壁に囲まれ、その中には人々の住居や小さな商店が所狭しと並び、モスクを擁している。買い物客でごった返す賑やかな通りも小さな子供が遊んでいる人気の無い通りも生活感に溢れていて、こういう光景に触れることでようやくこの町の、ぬるりとした正体のようなものに触れた気持ちになれる。メディナの散策には必ず何かしらの発見があり、それがまた新たな好奇心を掻き立てて、更なる深部へと人を誘う気がする。 ▲メディナと新