チュニスから直線距離で100Km程度だろうか。南に下った地中海沿いにスースはある。南北に長い国土のチュニジアだが、そのほぼ北端に位置するチュニジアから徐々に南下するにあたって中継しようと思い立ち寄った町だ。
▲夜のチュニス鉄道駅
▲定刻通りに列車は出発
出発から約2時間でスースに到着した頃にはすっかり夜は更けていた。あまり英語の通じないタクシーを捕まえ、予め目星をつけておいた宿へと連れていってもらう。
▲理容店
▲スースのメディナへはファルハット・ハシェド広場から入る
チュニジアに向かう飛行機の中で何となく体調が悪化する気配を感じていたのだが、スースについた頃には身体はだるく、思考は不明瞭でお腹もゆるいといった具合。すっかり風邪の様相だ。とは言え折角訪れた先で1日寝ているわけにもいくまいと心を奮い立たせ、出かけていったのであった。この旅人の殊勝な心がけも数日後には根負けすることになるのだが…
▲路上でモノを売るのには許可がいるのだろうか、警察がやってきた途端、洋服を並べていた連中は慌ててどこかに逃げていった
スースは散策するには手頃なサイズの町だ。スース鉄道駅の脇にあるファルファット・ハシェド広場が中心部になっていて、その北へ行けばレストランや銀行、服屋や薬局が並ぶ新市街、南へ行けばメディナへ至ることが出来る。何はともあれメシだなと、新市街地をぶらついて目に止まったローカルレストランに入り、マトンと野菜の煮込み料理、それとローストチキンを食べた。腹が満たされたら銀行で米ドルをチュニジアンディナールに替え、恐らく唯一の見どころであるメディナへと向かう。
▲ナツメヤシの実が干されている
▲メディナの街角
▲色あせたチュニジアンブルーのドアと鍵
▲こちらもメディナの街角
スースのメディナもご多分に漏れず高い城壁に囲まれ、その中には人々の住居や小さな商店が所狭しと並び、モスクを擁している。買い物客でごった返す賑やかな通りも小さな子供が遊んでいる人気の無い通りも生活感に溢れていて、こういう光景に触れることでようやくこの町の、ぬるりとした正体のようなものに触れた気持ちになれる。メディナの散策には必ず何かしらの発見があり、それがまた新たな好奇心を掻き立てて、更なる深部へと人を誘う気がする。
▲メディナと新市街地を結ぶ門
▲チュニジアには猫が多い
▲リバトから地中海を眺む
▲夕暮れのメディナの家々
時間を忘れてぶらついていたら、いつの間にか夕暮れ時になっていた。メディナの中で一番高い、リバトと呼ばれる要塞の上に登り、空がピンク色に染め上がり、家々には影が落ちる様子を眺める。どこからともなく静けさが満ちてきて、この町の人たちが外出先から家に帰り、夕飯の支度を始めるのを想像した。
こういう光景は好きだ。メキシコのグァナファト、インドのバナラシでも同じような気持ちになったかもしれない。狭い面積にギュッと家々が肩寄せあって集まった町の夕暮れ。行ったことは無いけど、ボリビアのラパスも、イエメンのサナアも同じような気持ちにさせてくれるのかな、なんてことを思う。風邪のせいで鈍くなった思考回路は、難しいことや面倒なことを扱うのを嫌がっていた。
▲地中海▲夜のチュニス鉄道駅
▲定刻通りに列車は出発
出発から約2時間でスースに到着した頃にはすっかり夜は更けていた。あまり英語の通じないタクシーを捕まえ、予め目星をつけておいた宿へと連れていってもらう。
▲理容店
▲スースのメディナへはファルハット・ハシェド広場から入る
チュニジアに向かう飛行機の中で何となく体調が悪化する気配を感じていたのだが、スースについた頃には身体はだるく、思考は不明瞭でお腹もゆるいといった具合。すっかり風邪の様相だ。とは言え折角訪れた先で1日寝ているわけにもいくまいと心を奮い立たせ、出かけていったのであった。この旅人の殊勝な心がけも数日後には根負けすることになるのだが…
▲路上でモノを売るのには許可がいるのだろうか、警察がやってきた途端、洋服を並べていた連中は慌ててどこかに逃げていった
スースは散策するには手頃なサイズの町だ。スース鉄道駅の脇にあるファルファット・ハシェド広場が中心部になっていて、その北へ行けばレストランや銀行、服屋や薬局が並ぶ新市街、南へ行けばメディナへ至ることが出来る。何はともあれメシだなと、新市街地をぶらついて目に止まったローカルレストランに入り、マトンと野菜の煮込み料理、それとローストチキンを食べた。腹が満たされたら銀行で米ドルをチュニジアンディナールに替え、恐らく唯一の見どころであるメディナへと向かう。
▲ナツメヤシの実が干されている
▲メディナの街角
▲色あせたチュニジアンブルーのドアと鍵
▲こちらもメディナの街角
スースのメディナもご多分に漏れず高い城壁に囲まれ、その中には人々の住居や小さな商店が所狭しと並び、モスクを擁している。買い物客でごった返す賑やかな通りも小さな子供が遊んでいる人気の無い通りも生活感に溢れていて、こういう光景に触れることでようやくこの町の、ぬるりとした正体のようなものに触れた気持ちになれる。メディナの散策には必ず何かしらの発見があり、それがまた新たな好奇心を掻き立てて、更なる深部へと人を誘う気がする。
▲メディナと新市街地を結ぶ門
▲チュニジアには猫が多い
▲リバトから地中海を眺む
▲夕暮れのメディナの家々
時間を忘れてぶらついていたら、いつの間にか夕暮れ時になっていた。メディナの中で一番高い、リバトと呼ばれる要塞の上に登り、空がピンク色に染め上がり、家々には影が落ちる様子を眺める。どこからともなく静けさが満ちてきて、この町の人たちが外出先から家に帰り、夕飯の支度を始めるのを想像した。
こういう光景は好きだ。メキシコのグァナファト、インドのバナラシでも同じような気持ちになったかもしれない。狭い面積にギュッと家々が肩寄せあって集まった町の夕暮れ。行ったことは無いけど、ボリビアのラパスも、イエメンのサナアも同じような気持ちにさせてくれるのかな、なんてことを思う。風邪のせいで鈍くなった思考回路は、難しいことや面倒なことを扱うのを嫌がっていた。
-------------------
チュニジア - チュニスとシディ・ブ・サイド
チュニジア - 道程
チュニジア - トズール