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アンコールワット - その6:タ・プロームなど

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スラ・スラン。
王が沐浴をする為の池として作られたようだが、あまりにも大きい。
この日僕は、朝早くから前日と同じドライバーの駆るトゥクトゥクに乗り込み、アンコール・ワット以外の遺跡を見に出かけていた。

この日も朝から強い日差しが降り注ぎ、とても暑かったのを思い出す。

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池に背を向けると、バンテアイ・クデイと呼ばれる遺跡の門が見える。

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門をくぐり、回廊の中に足を踏み入れようとすると、子どもたちが奥から駆け出てきた。遺跡群の中に住居はないので、物売りたちが連れてきた子どもたちだったのかもしれない。

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所々に美しいデバターが残っている以外は取り立てて見どころのない遺跡だったが、それでも外界と隔てられた迷路のように入り組む回廊の中に佇んでいると不思議とワクワクしてくるのであった。

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そうしてようやく、僕はタ・プロームにたどり着く。

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約900年前、この寺院には5000人余りの僧侶と600人超の踊り子が住んでいたそうだが、その面影は微塵も感じられない。そこにあるのは圧倒的な暴力である。

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ギャグのような光景が広がる。敢えて樹木の除去や寺院の本格的な修復を行わずにいた結果、木々は力強く遺跡を侵食したようだ。

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ただでさえ入り組んだ回廊内の道を太い根が分断し、より複雑な迷路を形成している。

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ここまでコテンパンにのされているのを見ると笑えさえする。
生者必滅だか栄枯盛衰だか諸行無常だかよくわからないが、とにかくそういう類の概念を痛快に思い出させてくれる場所だった。

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時間も忘れてタ・プロームの中を彷徨いバシャバシャとシャッターを切っていると、いつのまにか太陽は天高く上り、時刻は正午を迎えようとしていた。



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アンコール遺跡群への旅の記録

アンコールワット - その1:シンガポール、クアラルンプール
アンコールワット - その2:シェムリアップからアンコールトム、バイヨンへ
アンコールワット - その3:アンコールトム、バイヨン、バプーオン
アンコールワット - その4:アンコールワット
アンコールワット - その5:シェムリアップ
アンコールワット - その6:タ・プロームなど
アンコールワット - その7:プレ・ループなど
アンコールワット - その8:パンテアイ・スレイと旅のおわり

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