パダンプサールを出発して1,2時間ほどして、僕らはタイ南部のハートヤイ(ハチャイ)という駅に降り立った。
前日の夜にクアラルンプールを経ってから丸半日程度が過ぎようとしていた。ようやく一息つける形となった僕らはしとしと雨の降る街を歩き、宿を探してバックパックを放り込んだ。長い移動が続いたのでここらで一泊するのもありかと考えたが、それは街の様子を見てから決めても遅くない。
身軽になった僕らはハートヤイの街をそぞろ歩いた。マレーシアからタイへ列車で入国した際の玄関口となるこの街は小さいながらもそこそこ発展しており、ショッピングセンターや学校、市場まで、生活に必要なものはひと通り揃っていると思われた。
街の至る所に溢れるお馴染みの丸っこい文字を見て少しほっとする。僕はタイに帰ってきたのだ。
朝からろくなものを食っていなかった僕らは、湯気をもくもくと立てながら麺を茹でるローカルの食堂に素早く狙いを定めた。運ばれてきた愛しのシンハーと、ギチギチに氷の詰まったグラス。否が応でも気分は高まる。
一緒に頼んだ麺(センヤイ?)が異常に美味かった。魚肉のつみれもぷりぷりした食感で大いに満足。
あんのかかった春巻きのような食べ物もなんとなく頼んでみた。無茶苦茶に美味いわけではないがビールのつまみにはまあまあ良い。
あっという間にひと瓶が空いてしまい、迷わずふた瓶目を頼んだ。
晴れてシンハーを堪能した僕らは更に街を探索した。
しかし、これと言って面白いものもない。やることのなくなった僕らはまたしてもビールに誘われ他の食堂に吸い込まれてしまったのだった。タイ風のチャーハンと、海鮮の炒めものを2品を肴にまたしてもやり始める。
この店の食い物にもびっくりした。化学調味料が多分に使われてるのだろうが、やたらと旨い。小一時間前に食ったばかりだというのに、全てペロリと平らげてしまった。
そして夕刻も近づいた頃合いに、僕らは宿から荷物をピックアップして駅に戻ってきた。この街に滞在しても特にやることがないという事がわかったので、その日のうちに更に北上することにしたのだ。
ホームと地面までの高さは僅かしかなく、線路の上を歩いて横切ることができる。時折、見慣れぬ形のディーゼル車がのんびりと構内から出たり入ったりしていた。
僕らは列車が来るまでの間、各々写真を撮ったりタバコを吹かしたりしながら時間を潰した。
夕刻、列車はがたごと音を立てながら少し遅れてやってきた。
次の目的地はスラタニという沿岸の街だ。そこまで行けばフェリーで色々な島まで足を伸ばすことができる。僕らは洋々と荷物を担ぎ、また列車に乗り込んだのだった。
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マレー鉄道旅行記
マレー半島を北上せよ − その1:旅の準備など
マレー半島を北上せよ − その2:シンガポール
マレー半島を北上せよ − その3:クアラルンプール
マレー半島を北上せよ − その4:クアラルンプールからパダンプサールへ
マレー半島を北上せよ − その5:ハートヤイ(ハチャイ)
マレー半島を北上せよ − その6:スラタニ
マレー半島を北上せよ − その7:パンガン
マレー半島を北上せよ − その8:バンコク1
マレー半島を北上せよ − その9:バンコク2
前日の夜にクアラルンプールを経ってから丸半日程度が過ぎようとしていた。ようやく一息つける形となった僕らはしとしと雨の降る街を歩き、宿を探してバックパックを放り込んだ。長い移動が続いたのでここらで一泊するのもありかと考えたが、それは街の様子を見てから決めても遅くない。
身軽になった僕らはハートヤイの街をそぞろ歩いた。マレーシアからタイへ列車で入国した際の玄関口となるこの街は小さいながらもそこそこ発展しており、ショッピングセンターや学校、市場まで、生活に必要なものはひと通り揃っていると思われた。
街の至る所に溢れるお馴染みの丸っこい文字を見て少しほっとする。僕はタイに帰ってきたのだ。
朝からろくなものを食っていなかった僕らは、湯気をもくもくと立てながら麺を茹でるローカルの食堂に素早く狙いを定めた。運ばれてきた愛しのシンハーと、ギチギチに氷の詰まったグラス。否が応でも気分は高まる。
一緒に頼んだ麺(センヤイ?)が異常に美味かった。魚肉のつみれもぷりぷりした食感で大いに満足。
あんのかかった春巻きのような食べ物もなんとなく頼んでみた。無茶苦茶に美味いわけではないがビールのつまみにはまあまあ良い。
あっという間にひと瓶が空いてしまい、迷わずふた瓶目を頼んだ。
晴れてシンハーを堪能した僕らは更に街を探索した。
しかし、これと言って面白いものもない。やることのなくなった僕らはまたしてもビールに誘われ他の食堂に吸い込まれてしまったのだった。タイ風のチャーハンと、海鮮の炒めものを2品を肴にまたしてもやり始める。
この店の食い物にもびっくりした。化学調味料が多分に使われてるのだろうが、やたらと旨い。小一時間前に食ったばかりだというのに、全てペロリと平らげてしまった。
そして夕刻も近づいた頃合いに、僕らは宿から荷物をピックアップして駅に戻ってきた。この街に滞在しても特にやることがないという事がわかったので、その日のうちに更に北上することにしたのだ。
ホームと地面までの高さは僅かしかなく、線路の上を歩いて横切ることができる。時折、見慣れぬ形のディーゼル車がのんびりと構内から出たり入ったりしていた。
僕らは列車が来るまでの間、各々写真を撮ったりタバコを吹かしたりしながら時間を潰した。
夕刻、列車はがたごと音を立てながら少し遅れてやってきた。
次の目的地はスラタニという沿岸の街だ。そこまで行けばフェリーで色々な島まで足を伸ばすことができる。僕らは洋々と荷物を担ぎ、また列車に乗り込んだのだった。
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マレー鉄道旅行記
マレー半島を北上せよ − その1:旅の準備など
マレー半島を北上せよ − その2:シンガポール
マレー半島を北上せよ − その3:クアラルンプール
マレー半島を北上せよ − その4:クアラルンプールからパダンプサールへ
マレー半島を北上せよ − その5:ハートヤイ(ハチャイ)
マレー半島を北上せよ − その6:スラタニ
マレー半島を北上せよ − その7:パンガン
マレー半島を北上せよ − その8:バンコク1
マレー半島を北上せよ − その9:バンコク2