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マレー半島を北上せよ − その7:パンガン


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ビールを2缶ほど空けた頃だろうか、僕らの乗るフェリーはパンガンの港に到着した。

ソンテウが数台、新たにこの島を訪れる来客たちを待ち構えている。僕らはそのうちの1台に乗り込み、ゲストハウスが多く集まるハート・リンという地域を目指した。

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ハート・リンで降り、片っ端から宿を当たっていた僕らが根城に決めたのは、浜辺までドアから30秒という立地のコテージだった。簡素な作りだが蚊が入り込むような隙間も見当たらず、シャワーの水圧も問題なかった。

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パンガンでの生活は特に記すべく事がない。
というのも、二人ともこの島の空気にすっかりヤられ、何か面白いことを企てるわけでもなく、ただただ朝起きて海を眺め、ハンモックに揺られながら本を読み、飽きればどこかにでかけてビールを飲みながらまたしても海を眺め…という生活を繰り返していたからだ。

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少し特筆すべき事があるとすれば、僕らが泊まっていた宿へアプローチする道路だろう。
この写真でどの程度伝わるかわからないが、日本の道路では信じられないくらいの激しい傾斜がついたカーブの途中にゲストハウスへの入り口があった。

この上り坂をスクーターで登ろうとするとちょっとしたテクニックが必要だった。

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この宿で食べるコンチネンタルなブレックファーストはなかなか立派なものだったが、カチコチの薄いトーストがついてくる点で他のゲストハウスと大差がなかった。みずみずしい果物が添えられていたので特に不満はなかったが。

僕らはこれをぺろりと平らげ、しばらく甘いコーヒーを飲みながら眼前の静かな海を眺めては、何を考えるわけでもなくタバコをふかした。贅沢な時間だった。

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これはハート・リンの中で薬屋や銀行、旅行会社が集まる一角。欧米人のバックパッカーだらけだ。

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あまりにも暇な時は、スクーターを駆ってパンガンの奥地へ出かけた。この後、前を走る先輩は壮絶な泥だまりに足を取られた挙句、ジャングルのど真ん中でガス欠に見まわれる。

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この島の食堂で出る食べ物はこれと言った特徴もない簡単なタイのローカルのそれだったが、僕らが美味しいと感じるには十分なレベルだった。

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ニューイヤーパーティーがどこかの浜辺で執り行われると耳にしたが、僕らはなんとなく行かなかった。これまでの移動で疲れていたからかもしれない。

翌日、そのパーティーでイタリア人の旅行客がローカルに射殺されたとのニュースを目にした。

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飲んでは寝て、起きては読んで、そして飲んで、という生活が続いたのだった。



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マレー鉄道旅行記

マレー半島を北上せよ − その1:旅の準備など
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マレー半島を北上せよ − その4:クアラルンプールからパダンプサールへ
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