スキップしてメイン コンテンツに移動

ミャンマー(その6) - スマイリング・デイズ、サマー・ホリデイ

IMGP8555

段々と調子づいてきた僕らは、少し強めの酒を飲みたくなった。周囲のテーブルを眺めてみると、ミャンマー人たちは何やらウイスキー風のボトルからコップに酒を注ぎ、氷と水で割って飲んでいる。ほほう。

IMGP8556

GRAND ROYALとかいうのちのちまで語りぐさになるのは明らかなこのウイスキーが、この夜を激しくドライブさせていくこととなる。氷と水の他に、店のボーイに無理を言ってライムとソーダ水も用意してもらい、キックオフ。

そこからの狂乱っぷりについてはだいぶ記憶が曖昧だ。隣で飲んでいた3人組のミャンマー人に話しかけられ、打ち解けた。彼らは弁護士とのことらしく、なるほど確かに彼らの話の節々にはほのかに教養の香りがするなあなどと当時感じていた気がするが、今となっては何を話していたのか全く覚えていない。学生時代の専攻や現在の職業について聞かれた気はする。

夜も更けた頃には数本のGRAND ROYALが空になり、3人の日本人と3人のミャンマー人は完全に出来上がっていた。
「クラブに行こうだってさ」
「いきましょう!」
まさかミャンマーに来てまでクラブで遊ぶことになるとは想像していなかったが、ここは流れに身を任せてみよう。6人はタクシーを捕まえ、薄暗いダウンタウンの中、ナイトクルージングが始まった。

IMGP8559

街なかを右へ左へ、途中、ミャンマー人のひとりが着替えで自分の家に寄ったりしつつ15分ほど走ると、見るからに怪しげな建物が現れた。セキュリティの男たちに連れのミャンマー人たちが何か説明し、エントランス料を払う。どうせふっかけられるんだろうなと身構えたが大したことない金額だった、気がする。

インドで現地の若者と意気投合してクラブに連れてかれそのしょぼさにガッカリした事が何度もあるので、実はこのときも大して期待していなかったのだが、ヤンゴンのここ(名前は「パイオニア」というのだそうだ)は東京のちょっとしたクラブも顔負けの立派な設備を備えていた。きらびやかな照明に、十分でかい音、広々としたダンスフロアに加え、青いLEDが設置されたバーカウンターにはバーテンが2名もいた。

何よりも驚きだったのは、かかっていたのが紛れも無いエレクトロで、踊れる音楽だったということ。こんな事を言っては怒られるかもしれないが、ミャンマーポップスやミャンマーヒップホップを聞いていると、とてもじゃないけどこの国で踊れる音楽がかかる箱があるとはイメージできない。僕らは箱の有様におおいにときめいた。

そこからしばらく酒を煽ってはフロアに降りて踊り、踊り疲れてはフロアから上がって酒を煽り、というのを繰り返していた気がする。やがて、背の高い小さな丸テーブルで先輩の片方と共に飲んでいた弁護士の一人に呼ばれ、トイレに連れていかれた。

「きみたちは目を付けられているようだ。刺されたりすると大変だからそろそろ帰ったほうがいいかもしれない」
今考えるとよくわからない事を言っていた彼も既にベロンベロンだったが、僕らの身の心配をしてくれている事は確かだった。

親切な忠告をありがたく受け入れ、僕らは宿に帰ることにした。例の3人とは散々ハグを重ね別れを惜しんだ。傍から見たらさぞ気持ち悪い酔漢たちであっただろう。ミャンマー初日の夜の出来は上々であった。



==================
ミャンマー旅行記


ミャンマー(その1) - ウォーキング・イン・ザ・リズム
ミャンマー(その2) - ずっと前
ミャンマー(その3) - ブルー・サマー
ミャンマー(その4) - あの娘が眠ってる
ミャンマー(その5) - デイドリーム
ミャンマー(その6) - スマイリング・デイズ、サマー・ホリデイ
ミャンマー(その7) - ジャスト・シング
ミャンマー(その8) - メロディ
ミャンマー(その9) - ロング・シーズン
ミャンマー(その10) - 100ミリちょっとの
ミャンマー(その11) - エヴリデイ・エヴリナイト
ミャンマー(その12) - ゆらめき・イン・ジ・エアー
ミャンマー(その13) - アイ・ダブ・フィシュ
ミャンマー(その14) - それはただの気分さ
ミャンマー(その15) - バックビートにのっかって

このブログの人気の投稿

やっぱり北千住で魚食うなら「廣正」(広正・ひろまさ)だよねという話

先日、またしても北千住は「廣正」(広正・ひろまさ)で飲んだのだが、相変わらずの信じられないコスパの良さにおったまげた。 JR北千住駅東口から徒歩10分、民家がひしめく薄暗い通りに突如現れる小さなお店に酒飲みの面々が到着したのは20時半。 着席しドリンクをオーダーするとまもなくお通しが現れた。この日のお通しは鶏肉の照り焼きと玉子焼き、わさび漬け的なものにぶり照り。 メニューには様々な魚料理が並んでいるが、全て時価(安い)。 この日は友人が予め予約を入れ、その際に刺盛りを2人前だけ準備しておいてもらうよう頼んでくれていたので、すぐに下駄盛りにされた各種の魚たちが登場。相変わらずとんでもない量と分厚さである。(でも安い) 期待を裏切らない迫力に各々感嘆を上げているうちにお酒が揃ったので乾杯。 赤身です。 ホタテです。 タイです。 赤貝です。 うめえうめえと大騒ぎしながら皆でぱくつきまくっていたのだが、なにせこの料である。刺し身だけで腹が膨れる。 しかし刺し身だけ食べて帰るのもあまりにも勿体ないので寄せ鍋を注文。 これまた2人前なんだけども、やはりボリュームがおかしい。 出汁を沸騰させる間、箸休めにと頼んだのが梅キュウ。 ただの梅じゃなくて梅水晶になっていて、とても幸せな気持ちになります。 やがて鍋が出来上がったのでひたすら食うた。 そしてたくさん飲みました。 当然雑炊にするよね。 おじやが出来るまで、せっかくなので後一品くらい食べてみようとしめ鯖を追加。 こちらもぼちぼち油が乗っていて美味。(しかし安い) そうこうしてる間に雑炊が完成。食い終わった頃には多幸感でとろけましたとさ。 何杯飲んだかよく覚えてないくらい酒も飲み、この料理を食って会計は驚きの3000円台。 一体どうやったらそういう会計になるのかよくわからん。 ごちそうさまでした。   大きな地図で見る

電話は4126!!

実は先日誕生日を迎えまして、友人らが誕生祝いを兼ねた旅行を企画してくれました。 私は普段人に不親切なので人からも不親切にされることが多いのですが、こんな私のことを卒業後も忘れないでいてくれるどころか事あるごとに遊び相手になってくれる学生時代の友人らというのは、世の中の親切心を一点に集めたような奇特な存在で、なんというかもう神々しいです。 で旅先なんですが、伊東でした。 二日酔いで重たい身体に鞭打って、正午頃ライドンしたぜ東海道線。 駅弁というアイテムがこれ以上ないくらい手軽に旅行感を演出してくれます。 ビールをぐっびぐび飲んであーでもないこーでもないくっちゃべっていると… すぐ着きました。 伊東です。 駅からマイクロバスで10分程度の場所にあるリゾートマンション的な宿を予約してくれてたんだが、ここがまたウケるくらい広くて腰抜かした。 アホかと思うくらい歩いて辿り着いたよくわからん漁港はいい感じに寂れていてこれまた否が応にも旅行感沸騰でした。 漁港ってなんか猫おおいよね。 宿の晩メシすばらしかった! あとはもう非常によく飲みました。 サプライズケーキ的なものを生まれてはじめてもらった、気がする。 翌日はね、再び昼間から酒飲んだり、高いところに登ったりしましたよね。いやあ爽快でした。 いつまでこういう関係性が続くのだろうとしばしば考えます。 結婚か、はたまた転勤か、もしかしたら病気とか、いろいろなことが影響していつか気がついたら希薄な間柄に落ち着いてしまっているんだろうなあ。 その時の自分は30歳くらいなのか35歳くらいなのか知らんけれども、何はともあれまあそれまではこうして一緒に遊んでくれる人たちのことを大切にすべきなんだろうなあとぼーーんやり感じている今日この頃です。 楽しい週末をありがとうございました。

休日

ちゃんとした蕎麦って妙にいい値段するよね。いいんだけど。 寒いけどまだチャリは乗れます。最高。 ここのメシ美味いんだよなー。 色々と後戻りできなくなってきました。